クロ・デュ・ヴァル 自社所有ぶどう畑

世界最高のワインを造るためのぶどうの産地 - ナパヴァレー

1970年、ジョン・ゴレは、「世界最高のワインを作る」ための新天地を見つけるために、ワインメーカー、ベルナール・ポーテを候補地の調査に送り出しました。2年後、5大陸を歩き回ったポーテはカリフォルニアのナパヴァレーを“その地”に選びました。ナパヴァレーは東西を高い丘に囲まれ、南はサン・パブロ湾に面した、寒流の流れる太平洋に近い位置にあります。そのため、日中の気温はかなり上昇するのに対し、夜は太平洋とサン・パブロ湾からの霧によって冷やされます。その温度差がぶどうをゆっくり成長させ、その過程で複雑な味・香りが凝縮されていくのです。また、ヴァレーの中にも様々な地形が点在し、それが場所によって違った特徴を持つぶどうを産する“マイクロ・クライメート”を作り出しています。そのようにナパヴァレーにはポーテを唸らせた、ぶどうに最も理想的な気候条件が揃っていたのです。

スタッグスリープ:ボルドー品種の理想の土地

スタッグスリープ地区はナパ市の北8キロほどに位置する小さな地区で、東西の幅1.5キロ足らず、南北の長さも4キロ程の細長い形を

しています。3方を丘や山で囲まれた盆地で、しかも南に向かって開かれた形になっています。そのため、サン・パブロ湾から流れ込んだ霧と冷気が逃げることなく留まり、ブドウ栽培に適した“暖かい昼と冷たい夜”が生まれるのです。また土壌は火山性灰土と小石が混ったローム層で、やせてゴツゴツしています。そうした自然条件はカベルネソーヴィニヨンやメルローといった成熟がゆっくり進む品種に最適といわれています。特にスタッグスリープ地区で造られる赤ワインは、果実味がしっかりしていて複雑な香りや味が凝縮した、タンニンの柔らかいエレガントなものになることで世界的に知られています。クロ・デュ・ヴァルは午後の柔らかな太陽が十分にあたる西側に150エーカー(約60ヘクタール)ほどの自社畑を所有しています。現在の栽培面積は130エーカー(約53ヘクタール)程です

カーネロス:ブルゴーニュ品種の理想の土地

カーネロスはナパヴァレーの南端に位置し、サン・パブロ湾からの冷たい霧の影響を受けやすい、ナパヴァレーで最も冷涼な土地です。また土壌は粘土質とローム質からなり、ナパヴァレーの他の地区よりやせているため、ぶどうの木

に多分のストレスがかかります。そうした特異な自然条件のため、カーネロス地区はシャルドネやピノノワールといった、いわゆるブルゴーニュ品種の栽培に最も適しているといわれています。カーネロスのシャルドネは非常に新鮮味に溢れ、酸味のはっきりした、香り高いものになります。また、ピノノワールは凝縮された果実味を持ち、なめらかでまるみのあるバランスのとれたワインになります。中でもクロ・デュ・ヴァルが所有する丘の斜面側の土地は、春先の霜害が少なく、最適な条件で発芽気を迎えることができるため、一等地とされています。現在180エーカー(約73ヘクタール)ほど自社畑を所有し、作付面積は140エーカー(約57ヘクタール)です。


ハーベスト・ノート

 

2005

2005年は例年より早い2月の芽吹きで始まりました。3月~4月は通常より雨が多く涼しい春となりましたが5月に数日高温になり、そのために葉が焼けてしまったものも出ました。しかし幸いにもぶどうそのものの品質は全く影響を受けませんでした。6月にはまた気温が下がり歴史的な雨量を観測し、カビが発生しないように非常に気を使わなければなりませんでした。7月~8月も涼しい日が続きましたが、8月29日から31日にかけて突然記録的な高温になり、ピノ・ノワールのなかには若干乾燥したものもあり、ぶどうの木にかなりのストレスがかかりました。9月にはまた気温が下がりましたが、11月にはインディアンサマーと呼ばれる高温の日が続きました。クロ・デュ・ヴァルの収穫は8月29日のソーヴィニヨン・ブランから始まり、10月24日のカベルネ・ソーヴィニヨンまで長く続きました。全体的に見て2005年ヴィンテージは、熟したフレーバーとタンニンと酸味の絶妙なバランスが突出した、非常に素晴らしい品質のワインになりました。2005年はクロ・デュ・ヴァル・イヤーと呼べるものになったと自負しています。

 

2004

2月に春の訪れを感じ始めた2004年は、夏を通じて温暖な気候が続きました。2003年の春の気温が上がらなかったため、収穫量は多くなく、特にカベルネ・ソーヴィニヨンの収穫量は限られた量にとどまりました ( 注。その年の収穫量は前の年の春の気候に左右されます。) そして収穫はクロ・デュ・ヴァルの歴史の中でも最も早い8月11日から始まりました。8月の気温はあまり上がりませんでしたが、9月に入ると高温日が数日続き、それによってカベルネ・ソーヴィニヨンのぶどうの脱水が起こりました。全体的にみて非常にいい品質のワインができた年で、特にシャルドネとピノ・ノワールの出来は素晴らしいものといえます。

2003

2003年は非常に素晴らしいヴィンテージとなりました。冬の長雨のために、芽吹きが2月末までずれ込みました。夏は高温の時期が続き、収穫は9月初めの祝日の後すぐ始まり、9月30日に終わりました。4月に入ってからも雨降りの日が続き、それによって収穫量は少なくなり、さらに8月9月の高温によってぶどうの成熟が加速したため、非常に短期間の収穫となりました。全体的に非常にバランスのとれ、色と香りが凝縮した素晴らしいぶどうとなりました。

2002

2002年は幸運な年でした。4 月初めの霜と5 月の長雨で幸先を心配されましたが、夏はぶどうが成長するに理想的な気候になりました。気温は決して高くなりすぎることはなく、しかも安定した天気は9 月まで続き、そのことによりぶどうに適格な“ハング・タイム”(枝に実のついている期間)を与えました。それはぶどうを完全に熟させ、豊満でかつ果実味が凝縮した実をならせることになりました。クロ・デュ・ヴァルではぶどうの収穫は8 月21 日にはじまり、9 月いっぱい続きました。濃縮された色と風味を持ちながら、さまざまな要素のバランスがとれた素晴らしいぶどうは、非常に豊かで凝縮したワインを生み出しています。

2001

2001年はクロ・デュ・ヴァルにとって30回目の記念すべき収穫となりました。そしてまた5月から6月にかけて例外的に暖かい日が続いたため、この年はクロ・デュ・ヴァルの歴史の中でも最も早い収穫となりました。しかし7月は逆に例年よりかなり涼しくなったため、予想よりゆっくりとそして均等にぶどうの熟成が進みました。収穫は8月14日から始まり、9月28日に終了しました。

2000

2000年の収穫はクロ・デュ・ヴァルにとって素晴らしいものとなりました。
スタッグスリープ地区とカーネロス地区の両方で , 近年稀に見る高品質のぶどうを収穫できたからです。春の訪れは比較的早く、穏やかな気候が続いたため、発芽と開花にとって理想的な条件となりました。6月の一時期、気温の高い日がありましたが、夏は涼しい日が長く続き、ぶどうの成熟には最適のコンディションとなりました。収穫直前の9月上旬、数日間気温が上がり、そのことによって樹齢の若い木の成熟が加速され、幾分早めの収穫をすることができたため、ぶどうの品質とワインの骨格に良い影響を与える幸運な結果となりました。

1999

1999年は夏の気温があまり上がらず、ぶどうの生育に長い時間がかかった年でした。カリフォルニアが雨期になる11月までにぶどうが十分に熟さないのではないかと懸念されましたが、幸いなことに9月末から10月にかけてインディアン・サマーと呼ばれる暖かい日が続いたことで成熟が加速され、無事素晴らしいぶどうを収穫することができました。ノース・コースト地区のぶどうはその長い生育期間が幸いして、深い色合いと凝縮された果実味の際立った、非常によく成熟したぶどうとなりました。しかし前年の悪天候が1999年度の収穫量にも若干影響をおよぼし、ほとんどの品種において予想を下回る収穫量となり、特にカベルネ・ソーヴィニヨンの収穫量は少ないものとなりました。

1998

1998年はエル・ニーニョの影響で、記録に残っている中でも、いちにを争うほど寒くそして雨量の多い年でした。そしてナパヴァレーも例外ではなく、歴史に残るほど収穫の遅い年となりました。しかしその事が逆にぶどうの成熟にとっては最適の環境を作り出すことになったのです。つまり、木の上でゆっくり実が熟すことによってぶどうの風味はピークに達する事ができ、しかも酸味がしっかり残った、まさにワイン作りにとって理想的なぶどうを収穫する事ができたのです。また木の上での長い熟成は、ワインに素晴らしい深みと色合いを与える事になりました。

1997

1997年はカリフォルニアワインにとって非常に素晴らしい年となり、世界でも稀に見るヴィンテージ・イヤーとなりました。ナパヴァレーの春は非常に暖かく、ぶどうの発芽および開花も早い時期にみられました。8月初旬までは比較的穏やかな気候が続きましたが、その後気温が一気に上がり、8月末には幾分の雨も見られました。このように平年よりも暑い時期が一時あったため、ナパヴァレーでは非常に早い収穫を迎え、9月の3週目までにはほとんどの収穫を終了しました。収穫量はどの品種も押しなべて高く、ぶどうの品質も稀に見る素晴らしいものとなりました。

1996

1996年の春の訪れは例年より遅く、開花期に雨が多く気温も低かったため、収穫量が低く抑えられる結果となりました。春先の雨がちな気候は、暖かい夏へと変わり、ぶどうを十分に成熟させる事となりました。特に8月から9月の初旬にかけての高温期は実のサイズを小さく抑えながらも品種の特徴を十分に高めるのに役立ちました。その後9月末に気温が下がりましたが、その事が果実の樹の上での熟成時間をさらに増やす事となり、その結果品種の特徴が凝縮された、エレガントでバランスのとれたワインとなりました。